遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

近隣トラブル 在宅が一番

ヘルパーは各ご家庭に訪問中に、色々な場面に遭遇します。

中でも一番困るのが、ご近所さんからのクレームです。

 

訪問はケアマネジャーがキーパーソンとなるご家族(が多い)からアセスメントして

在宅での生活を選んで、訪問介護を依頼されたから始められるものです。

もちろん一人暮らしのご本人からの依頼であることもあります。

 

どの方も家での生活を望まれた方々なんです。

 

ところが、隣近所の方が突然私たちの訪問中に来て、

「なんでこういう人を家に一人でおいておくんだ。早く施設に入れるように娘(息子)

さんに言ってもらえないか。」と言ってくるんです。

 

挙句のはてに、「あなたたちもそう思うでしょ」と言われます。

 

今は施設に入れるってそんなに簡単なことではありません。

特別養護老人ホームに入れるような介護度の方なら、必ず介護者がいなければ、自宅で

の生活は難しいと思います。

特養への入所にはならない介護度の低い方で、自宅に一人でおくのが心配と言えば認知

症の方々です。

 

軽度の認知症は、まだ自分で自分の事が出来ます。少しのお手伝いで十分在宅生活が

可能な認知症の方はたくさんおられます。

 

そういう方たちのご近所さんが、本人の前で「ぼけたぼけた」を連発します。

 

悲しいです。気の毒です。

 

言われたご本人は、自分はこの町内からいなくなった方が良いのかと考えます。

しかし現実的に、金銭面で施設の入所には踏み切れない事情があります。

 

私の住むこの田舎でも、認知症対応のグループホームは1か月10万円以上のお金が

かかります。都会はx2です。

この辺の高齢者で、月10万円の年金をもらっている方は少ないのが現状です。

ほとんどの方が国民年金で、女性は特に厚生年金は稀です。

施設に入るには、やはり子供たちの援助が必要です。

でもその子供たちはちょうど子育てにお金がかかり、大学生がいれば仕送りや学費の

支払いで精一杯で、親の施設入所の費用までは無理な状態なんです。

 

そういう状況を何もわからない近隣の方々が、私たちに不満をぶつけてきます。

 

「煮物を持ってきてあげても、当たり前だと思っている」

 

誰も頼んでいないけど、ご厚意で持ってきてくださっていると思ったら、心の底では

厚意ではなかったなんて事が多々あります。

 

認知症の高齢者を地域で支援できるようにならないでしょうか。

もっと認知症の理解が広がらないものでしょうか。

 

もっといえば、明日は我が身なんです。

 

在宅で暮らすことが一番なんです。それは自分の身にふりかかってきて初めてわかる事

だと思います。